苗木の植え付け方のアドバイス
根のタイプ(根鉢付き、ふるい、地中ポット等)により届いてから植え付けるまでの手順は多少異なりますが、
ここでは当店での取り扱いが最も多い根鉢付き大苗を中心に紹介します。
当店ではご購入のお客様への苗木をお届けする際に、詳細な植え付け方パンフレットを同梱していますが、
事前にご確認されたい方のためにPDF版にて無料ダウンロードしていただけるよう以下にご用意しました。
すだ農園 パンフレット
*資料は当店の実施手法をまとめたものです。実施につきましては各自のご判断にてお願いします。
*当店パンフレット「果樹苗木取り扱い品種一覧」ではフェイジョアマンモス[1本で結実]と表示しておりましたが、誤りでした。お詫び申し上げます。
植え付け準備の手順の超ポイント
植え付け準備の手順の超ポイントは下記の2点です。
水はけ
まずは植え付ける場所の水はけを見ます。
前日に雨が降った後、水たまりができて、なかなか水がはけないような粘土質な土壌や固い土の場合は土壌改良などが必要となります。
このような場所では、苗木を植え付けても根っこに必要な酸素がいきにくくなったり、
根っこが常時水に浸かっていると根が腐ってしまう可能性があります。
水はけをよくすることを考えてください。
・腐葉土を投入してよく混ぜる
・植える場所全体をこんもりと小山のように土を盛り上げて周りに排水溝を作る
・パーライト等、水はけをよくする資材を混ぜる(1割程度)
・粘土があまりに多い場合は土の総替え、あるいは周りに排水溝を掘ってみてください
この他にもいろいろ方法はあると思います。
植える場所に穴を掘り、穴から掘りあげた土に腐葉土やパーライトを混ぜてふかふかにして埋め戻します。
手で握ってほろっとくずれるくらいのふかふかさがよいです。
肥料
植えてから半年くらいは肥料分はすぐには必要はありません。
まずは根っこを伸ばさせることが重要です。肥料は根っこに直接つきますと根腐れを起こしたり、根っこがやけたりしてしまいます。
植える場所があまりにやせ地な場合は、苗木を植える穴の底の方に直接根っこにつかないところに肥料をもとの土と混ぜ込んで仕込みます。
土と混合して入れ込むことがポイントです。
また、この作業はできれば、苗を植え付ける当日ではなく、2週間くらい前に行うのがベストです。
また、肥料は果樹栽培において大変重要はポイントとなります。
肥料をたくさんやると、枝葉ばかり伸びて花をつけ、果実をつけようとしません(子孫を残そうとしないのです)
くれぐれも元の肥料は控えめにし、6月頃、葉の色が薄ければ窒素分の肥料を具合をみながら少しずつ調整して追肥として施すのがおすすめです。
図で見る植え付け方アドバイス
接ぎ木をして(挿し木をして、種をまいて)3年目以降の大苗の植え付け方
接ぎ木をして(挿し木をして、種をまいて)1年から2年目の苗木の植え付け方
植え付け方〜根鉢付き(大苗)の場合〜
ふるいの大苗も根鉢付き大苗の植え付け方に準じてください
(1)植える場所を決めます
(2)穴を掘ります
(3)掘りあげた土によく完熟した腐葉土(バーク)を混ぜます (1:1 か 2:1くらい)
Point!
混ぜた土の3分の1に油かすあるいは緩効性(完熟した牛ふん堆肥など)を一握り混ぜます
ただし、つい最近まで野菜を作っておられたり、肥えた土の場合は肥料を入れすぎますと
枝葉ばかり茂り結実しない(花をつけない)場合が多々みられますので、
肥料はくれぐれも入れすぎないようにして下さい。
肥えた土地の場合は元肥を入れない方がいい結果が出る場合があります。
やせた土地の場合はこの限りではありません。
また、未熟な鶏糞は苗木を枯らせるもとですから、
嫌なにおいのしない多少価格が高めの肥料を使いましょう。
(4)肥料が直接根に触れるのはよくありませんので気をつけて下さい
(5)地面から5〜10cm高くなるよう苗の高さを調整しながら土を入れていきます
(6)根鉢の上部には土を盛らないようすれすれにします
(7)水をやります
そのとき、水が周囲に流れないように盛り土をします
支柱をおすすめします
木がぐらつかないように支柱をおすすめします
Point!
苗を支柱にくくりつける時、苗の幹には麻布を巻くことをおすすめします。
また、木の成長とともに、幹も太っていきますからくくりつけたひもが
幹に食い込んでいないか半年毎くらいに見て回りましょう。
植え付け方〜新苗の場合〜
■穴の大きさは苗木の根の部分がすっぽりと入るくらいが適当です。
根を窮屈に穴に入れては、良好な生育が望めません。深さはやや深めに掘り、底に有機物を入れておきます。
■苗の根っこに土が付いていない場合は、水を張ったバケツに30分くらい付けておき充分吸水させましょう。
■そして、根っこをよく広げ細粒化した土を根の上にいれ、水をよくやって、土と根がなじむようにしましょう。
土が十分軟らかくないようであれば、土壌改良材として ヨウ燐、苦土石灰100g〜200g、または腐葉土を土に混ぜてやります。
■土は地上部にこんもりと盛るようにしますが、 接ぎ木部分は隠れないようにしましょう。
接ぎ木部分が土に隠れると、接ぎ穂より根が出て、枝の伸びる勢いが強まり、実をつけにくくなります。
また深く植えると、通気不足、排水不良により根腐れを起こしますので注意してください。
■植え付け後しばらくしても、木がグラグラするようであれば、せっかく伸びた根の細根が切れてしまいますので、支柱を立てます。
植え付け時には地上30〜90cmの高さで切りましょう
植物には茎の先端にある芽がもっとも発育が旺盛で、脇芽の発達を抑えるという頂芽優性という性質がありますので、
幹と充実した芽のバランスのとれたところを木の先端にしておくことが大切です。
この高さが一般に地上30〜90cmですが、これから作り上げる樹形によってはこの高さが上下してもかまいません。
但し、幹を切ったところよりも下の部分に芽がいくつか付いていることを必ず確認して下さいね。
幹に沿って垂直に1本添え木(支柱)を立てると尚よいです。